めるぶろぐ

まったりぷろぐらまーの雑記

【本感想】HELLO WORLD/野崎まど

映画未見です。

HELLO WORLD (集英社文庫)

HELLO WORLD (集英社文庫)

未来をひっくり返しに行く物語

花火大会で彼女が事故死する未来を書き換える、というストーリー。
ループ系でよくあるシチュエーションだなーと思って読み始めたけど、
第四章(花火大会当日のあたり)からは展開早くて面白くて一気に読んでしまった。

一人称やルビ等で同じ名前の2人を区別してるのは小説ならではの表現、面白さだなと思った。
たぶん映像で見るとそんなに気にしなくていいんだと思うけど。
セカイがひっくり返る、と帯に書いてあったんだけれど、
そういう部分が表紙の右上のかけてく部分だったりするのかなーと思ったりしながら。
映画のほうも見たくなりました。

アルタラというザ・SFみたいなすごい設定があるけどGoogleっぽいシステムとかLINEっぽいシステムとかあるのは
映像でなくても容易に想像がつくしすごい親近感が湧いた。
(今時の高校生はたぶんスマホ持っててLINEやってるのが前提にある連絡手段になっているんだよなあと嘆息。)

一行瑠璃ちゃんが芯の通った強い女で素敵だ……。


【以下ネタバレに触れます】

先生の堅書直実に感情移入しすぎて読後感が悲しい

・最初は主人公の主体性のなさにイラッとしたけどどんどん強くなっていくのがいいなあ。
おいおい自分の意思ねえのかよ……と最初は思ってたけど。
・でも自分が未来側のほうだったら、がんばってがんばって手に入れた一条瑠璃ちゃんを
記録世界側の自分に連れてかれるのめちゃくちゃ悲しくないですか……?
いや記録世界側の堅書くんも頑張ってたけどさ……。
そのあたりは先達としての意識なのか一行ちゃんにとっての「堅書くん」が自分じゃないからなのか。幸せならいいのか……。
なんかすごい悲しくなった……。エキストラじゃなくて充分に主人公になれる器だよ……。